誰のためにでもなく

10/5

「自分が何かを作るときに、マーケティングというのは一切無視してきた、自分が作りたいものを作ってきた」と長年云ってきた。
でも実は、嘘だった(のかもしれない)…とさっき気づいた。
富野由悠季監督の『映像の原則』を今朝読んでいて(やっと)気づけた。

実際はいつも、誰かのために作ってきてた(ような気がする)。
それを生み出すことで、密かに誰かに気に入られようとしていたのだ。
それはつまり、何かを作ることと誰かに気に入られることを、無意識に繋げていたのだ。姑息だったのだ。
それが間違ってたとは想わないけど、少なくともpureじゃない。何処かで何かの言い訳をしてたのだ。
pureを装ってpureじゃなかったのだ。ズルかったのだ。
だからcreatorになれなかったのだ、なってなかったのだ。

でも、今は違う。今からは違う。
いい歳して気づくのが遅いけど。なにせ五十五年もかかった。
誰のためにではなく、自分のために
今からは、作ろうと想う。
それは絶対的に孤独な作業だけど、やってやろうと想う。