『ηなのに夢のよう DREAMILY IN SPITE OF η』by 森博嗣(2007)

森博嗣『ηなのに夢のよう DREAMILY IN SPITE OF η』読了。Gシリーズ6作目。生きるというのは夢なのかもしれない。
「人を殴れば逮捕され牢に入れられるのに、大勢に武器を持たせて無断で他国へ侵攻しても誰一人罰せられない社会。大勢が、その手法を正しいとさえ信じている。この方法でしか解決ができない。悪魔を取り除くためには、生きた人間を生け贄に捧げなくてはならない。そうすることで、知らず知らずに人間は悪魔になっていく。
大切だ、尊い、と繰り返しながら、吸い上げられている命。
そう、まるで零れたインクを拭き取るように。
綺麗にするために、命が吸い取られる。
それが、世に言う正義というものの正体なのか。」p.174