『喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima』by 森博嗣(2010)

2/2森博嗣『喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima』(2010)読了。
とても清々しい小説、気持ちがスッキリするような。

「考えるという行為は、運動に似ている。ランニングすることと、思考することは、躰の使っている部位が違うだけで、あとは同じだ。ランニングの場合、目的地があるわけではない。目的地があると、それは労働に近いものになる。同じように、考えて求められる答が定まっているものは、明らかに労働だ。
しかし、研究における思考は、こういった労働ではないから、いくら計算機が発達しても、真似ができないだろう。筋道がなく、方法も定かでなく、それどころか答が存在するのかどうか、解くことができるのかも保証がない、それが研究における思考である。
ただ考えて発送する。思いつくまで、考え続ける。発想と言うのは、それまで関係がなかったことからの間に、新しい関係性を見出すことだ。道がないところを飛び越える。」p.215